妊活には、パートナーや周りの人からの理解ある対応がとても大切です。
その対応に正解はありません。だけど、相手を思いやる気持ちは、妊活に取り組んでいるご本人にとって大きな支えになります。
(協力機関:NPO法人Fine)
そもそも妊活って何?
「妊活」は特別なことではありません
「妊活」とは妊娠について正しい知識を身につけたり、パートナーと話し合ったりすることで、妊娠しやすい体や生活環境をつくっていくことをいいます。
現在、日本で不妊を心配したことがある夫婦は2.9組に1組、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(受けている)夫婦は5.5組に1組といわれています。
日常的な“どうしよう”について、
考えてみましょう
広島県では、「妊活や不妊治療をしている方への接し方や、かける言葉で困ったことや迷ったこと」についてアンケートを行いました。そして、いただいた声に対して、当事者団体であるNPO法人・Fineさまのご協力のもと、妊活に取り組むご本人の素直な気持ちや経験をまとめました。
このページで紹介されたご本人の気持ちはほんの一例です。あなたとご本人の関係性や、ご本人の心と体の状況をふまえて考えることが、とても大切だということを、心にとめておいてください。
下記項目より移動できます
❶
パートナー
「検査や治療への向き合い方」
パートナーからの疑問・想い
- パートナーと二人で検査や家族計画の話をするときに、どのように話すのが自然なのか悩みました。
当事者の気持ち
話す場を作って、
しっかり話し合いをする
検査や家族計画の話を自然な流れで話すのは難しかったです。しかし、話す場を作って、検査をするのか、治療はするのか、治療する場合はどこまでするのか、養子の選択肢も考えるのかなど、しっかり話し合いをしたことはよかったと思います。精液採取は大変だと思いましたが、女性は何回も病院に行き、つらい治療を受けています。一緒に子どもを授かりたいという思いに向かって、お互いの気持ちを認めながら取り組みたいなと思っていました。
検査や家族計画の話を自然な流れで話すのは難しかったです。しかし、話す場を作って、検査をするのか、治療はするのか、治療する場合はどこまでするのか、養子の選択肢も考えるのかなど、しっかり話し合いをしたことはよかったと思います。精液採取は大変だと思いましたが、女性は何回も病院に行き、つらい治療を受けています。一緒に子どもを授かりたいという思いに向かって、お互いの気持ちを認めながら取り組みたいなと思っていました。
パートナーからの疑問・想い
- 仕事をしながらの精液採取は精神的・時間的に負担が大きく、協力してもらうためにパートナーにどう言葉をかければいいのか、分からなくなるときがありました。
当事者の気持ち①
会話を通してお互いの気持ちを
確かめ合うことが大切
不妊検査は体への負担が大きい上に、結果のことや将来のことを心配し、精神的にも不安定になりがちです。夫は自分の気持ちをあまり言葉にしないので、検査や治療、子どもを持つことに関する考え方が分からず、気持ちがすれ違うことも多くありました。二人の会話を通してお互いの気持ちを確かめ合いながら、夫婦二人の問題として夫にも検査や治療に向き合ってほしいと思います。
不妊検査は体への負担が大きい上に、結果のことや将来のことを心配し、精神的にも不安定になりがちです。夫は自分の気持ちをあまり言葉にしないので、検査や治療、子どもを持つことに関する考え方が分からず、気持ちがすれ違うことも多くありました。二人の会話を通してお互いの気持ちを確かめ合いながら、夫婦二人の問題として夫にも検査や治療に向き合ってほしいと思います。
当事者の気持ち②
行動から伝わる真剣さや
気遣いがうれしかった
日常生活の会話の中で、性などの話自体に抵抗があるけれど、それよりも二人の未来について真剣に考えてくれていることや、気を遣ってくれていることが伝わってきてうれしかったです。早朝や日中の採精、精子の検査でいろいろと調べられることはパートナーもつらいと思いますが、その姿を見て自分もがんばろうと思いました。
日常生活の会話の中で、性などの話自体に抵抗があるけれど、それよりも二人の未来について真剣に考えてくれていることや、気を遣ってくれていることが伝わってきてうれしかったです。早朝や日中の採精、精子の検査でいろいろと調べられることはパートナーもつらいと思いますが、その姿を見て自分もがんばろうと思いました。
そのほかの声-うれしかった周囲の対応など-
- 検査後や治療・処置後など、病院に行った後は疲れるので、家事のサポートが一番助かりました。
- 検査や受診内容を毎回細かに説明してくれたので、服薬等、どういった配慮が必要か分かりやすかったです。
- 「検査してほしい」「病院に行ってほしい」と話すと、躊躇せず行動してくれたことです。
あなたにできること
お互いの気持ちや希望を伝え合う、
時間を区切って話し合うなど
- 検査に関しては、それぞれにとってデリケートな部分でもあり、話を切り出すのが難しいと思いますが、
まずは治療への取り組みの話などお互いの気持ちや希望を伝え合う場ととらえると、気持ちが楽になると思います。 - 話し合う内容と終了時間をあらかじめ決めてスタートするのも、話し合いをするときのコツの一つです。
終了時間になったら「じゃあ、今日はここまでにしようね」と話を切り上げて、そのあとは趣味や二人の時間を
楽しむなど、お互いに気持ちを切り替えることができるかもしれません。
❷
パートナー
「パートナーとのコミュニケーション」
パートナーからの疑問・想い
- 理解しようとしても相手の気持ちがわからず、何気ない一言で傷つけてしまうのではと怖かったです。
- 検査や治療の結果で落ち込んでいるとき、どのように声をかけたらよいか分かりませんでした。
当事者の気持ち①
手紙やメールなどで
気持ちを伝えることも
夫は妊活についてあまり話したがらないため、どう感じているのかが分からなかったです。治療中で心がささくれ立っていたときは、つい感情的になったこともありました。言葉にするのが難しいときは手紙やメール、メッセージアプリなどを利用して、真剣な気持ちや心配している気持ちをきちんと伝えることが大切だと思います。
夫は妊活についてあまり話したがらないため、どう感じているのかが分からなかったです。治療中で心がささくれ立っていたときは、つい感情的になったこともありました。言葉にするのが難しいときは手紙やメール、メッセージアプリなどを利用して、真剣な気持ちや心配している気持ちをきちんと伝えることが大切だと思います。
当事者の気持ち②
パートナーに優しい声を
かける余裕がなかった
検査や治療の結果が良くないと落ち込んでしまい、自分自身の心を守ることが精一杯で、パートナーに優しい声をかける余裕がありませんでした。自分が弱っていると相手の優しさや気遣いからの言葉でも、素直になれないときがありました。
検査や治療の結果が良くないと落ち込んでしまい、自分自身の心を守ることが精一杯で、パートナーに優しい声をかける余裕がありませんでした。自分が弱っていると相手の優しさや気遣いからの言葉でも、素直になれないときがありました。
当事者の気持ち③
落ち込んでいるときは、
ただそばにいてほしい
タイミングだったり、精液採取の日程だったりを夫に言い出しにくく、それだけでもストレスを感じます。「忙しいから、よく分からないから」と、治療を妻任せにするのではなく、定期的にコミュニケーションの時間を取って、治療のスケジュールや内容、体調、気持ちなど話せる場を作るようにしてほしいと思います。距離を置かれてしまうと、「夫婦のことなのに、つらい思いをするのは私ばかり」という孤独感を感じてしまいます。落ち込んでいるときは、どんな声をかけていいか分からなくても、ただそばにいてほしいです。
タイミングだったり、精液採取の日程だったりを夫に言い出しにくく、それだけでもストレスを感じます。「忙しいから、よく分からないから」と、治療を妻任せにするのではなく、定期的にコミュニケーションの時間を取って、治療のスケジュールや内容、体調、気持ちなど話せる場を作るようにしてほしいと思います。距離を置かれてしまうと、「夫婦のことなのに、つらい思いをするのは私ばかり」という孤独感を感じてしまいます。落ち込んでいるときは、どんな声をかけていいか分からなくても、ただそばにいてほしいです。
そのほかの声-うれしかった周囲の対応など-
- 生理が来るとどうしても暗い気持ちになってしまうので、声かけ・励まし・周りの妊娠話をシャットアウトなど、いろいろと配慮してくれました。
- 話もしたくないときには、気晴らしに外食に連れて行ってくれたり、一人になれる時間を作ってくれたりしました。
- 妻が基礎体温(のアプリ)を共有してくれたので相手の体調を理解しやすく、タイミングに向けての心の準備もしやすかったです。
あなたにできること
話をしっかり聞く、そばにいることを大切にしてみるなど
- 検査や治療の日程調整で難しい場合は「仕事が忙しい」ではなく、「今は難しいけど、○日以降なら仕事が少し落ち着くので、調整がつきやすい」など具体的な代替案を出してもらえるとパートナーは安心できると思います。
- 妊活中はやり場のないつらさに苦しい想いをすることも多いと思いますが、「一人ではない、二人で一緒に取り組んでいるんだ」という気持ちで、お互いの気持ちを尊重し合えるとよいのではないでしょうか。
- 特に男性は、女性の気持ちが分からない、どうしたらよいか分からない、という場面があると思いますが、話をしっかり聞く、うなずく、そばにいることを大切にしてみるとよいかもしれません。
- カップルだけで支え合い続けるのもつらくなってくるときもありますので、不妊に関する相談窓口なども有効に活用して、ご自身の心のケアも大切にするとよいでしょう。
周囲の人が心にとめておいてほしい
3つのこと。
〜Fineからのメッセージ〜
妊活に取り組んでいる本人は、思いがけず「不妊」という現実に直面し、つらさを感じることがあります。不妊は「単なる事実」であるにもかかわらず、つらさを感じてしまうのはなぜでしょうか?それは、当事者が自分の描いていた人生の中に想定外の不妊という現実を受け入れがたく、混乱してしまうからなのかもしれません。
あるいは、周囲の人が本人へ気を遣いすぎてしまい、そのことがいつの間にか不妊を「単なる事実」から「特別な事実」へと変化させてしまうからなのかもしれません。
そこで、周囲の人が心にとめておいてほしい3つのことがあります。
本人からの発信を待つ
まず、本人からの発信を待ってみてください。妊活や不妊はその人の人生に関わる個人的なことです。そのため、それをいつ・どこで・誰に・どのように発信するのか、または発信しないのかは本人が決めることです。周囲の人の「何か力になりたい」という一方的な強い気持ちによる言動が、本人を困惑させる場合があり、そうならないように本人からの発信を待つようにしてみるといいでしょう。
まず、本人からの発信を待ってみてください。妊活や不妊はその人の人生に関わる個人的なことです。そのため、それをいつ・どこで・誰に・どのように発信するのか、または発信しないのかは本人が決めることです。周囲の人の「何か力になりたい」という一方的な強い気持ちによる言動が、本人を困惑させる場合があり、そうならないように本人からの発信を待つようにしてみるといいでしょう。
本人の話を聞くことを心掛ける
本人からの発信があれば、最後までその話に耳を傾けてください。その真摯に話を聞く姿が励ましになることがありますし、また、話を理解しよう、考えを尊重しようとしてくれる人の存在が大きな支えになります。ここで気を付けたいのは、話の内容をあれこれ評価してアドバイスしたり、代わりに問題を解決しようとしたりしないことです。本人の良き理解者、いざという時の頼れる存在であってほしいと思います。
本人からの発信があれば、最後までその話に耳を傾けてください。その真摯に話を聞く姿が励ましになることがありますし、また、話を理解しよう、考えを尊重しようとしてくれる人の存在が大きな支えになります。ここで気を付けたいのは、話の内容をあれこれ評価してアドバイスしたり、代わりに問題を解決しようとしたりしないことです。本人の良き理解者、いざという時の頼れる存在であってほしいと思います。
必ずプライバシーを守る
妊活や不妊は大変個人的な情報です。本人の承諾がない限り、本人が知らないところでその人の妊活や不妊の情報を話すことはしないよう、プライバシーの保護には十分注意しましょう。
妊活や不妊は大変個人的な情報です。本人の承諾がない限り、本人が知らないところでその人の妊活や不妊の情報を話すことはしないよう、プライバシーの保護には十分注意しましょう。
このように、本人からの発信を待ち、その話に耳を傾け、プライバシー保護を心がけることが本人のつらさを減らすことにつながります。また、「不妊の○○さん」ではなく「○○さんの不妊のこと」として周囲に受け止められることで、不妊が「特別な事実」ではなくなり、お互いの信頼関係を構築する一助にもなると思います。
広島県子供未来応援課は、これから妊活を始める方、妊活や、不妊について悩んでいる方のお役に立てるサイト運営を目指しております。ご回答頂きました内容については、 今後、より良いサイトにするため役立ててまいりますので是非皆様のご意見をお聞かせください。
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